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「いただけると幸いです」の意味と使い方とは?敬語表現や例文紹介

更新日:2024年03月20日

ビジネスでは多くの書類やメールに目を通す中で、書き言葉独特の表現を見かけることも少なくありません。特に何らかのお願いの際に使われるのが「していただけると幸いです」というものです。この「していただけると幸いです」という表現を使う際にどこに注意すべきでしょうか?

「いただけると幸いです」はどういう意味で、どう使えばいい?

「いただけると幸いです」とはどういう意味?

「いただけると幸いです」という表現は一見すると、「~していただきたい」という意味にも取れますが、実は「~していただければうれしいのですが、別にそうしていただかなくても構いません」というのが本当の意味です。これは、日本語の表現によくある遠回しの言い回しの一種です。

私たちはよく「~してほしい」とはっきり言うべきところをこのように「していただけると幸いです」と伝えることで、自分の要望を柔らかく伝えようとします。言い換えれば、それとなく自分の要望を伝えている、ということになります。

「いただけると幸いです」の使い方の例

「いただけると幸いです」は、主にメールや書類などで書き言葉として使われることが多いです。例えば、何らかの催し物を開催する際や、他企業の役員を招待する際に、「出席いただけると幸いです」というように使います。

ニュアンスとしては「ぜひともご出席下さい」と伝えたいところですが、先方も多忙なスケジュールを抱えている中であまりにもはっきりとこちらの要望を伝えるのは失礼である、ということでこのような言い回しがよく用いられます。

敬語で「いただけると幸いです」を表現するには

さて、ここまで見てきたように「していただけると幸いです」という表現は、相手に自分の要望を遠回しに伝えるという点では、なるべく柔らかく、かつ相手を傷つけずに済む表現として使い勝手がよいです。しかし、遠回しな表現である一方、こちらの要望が相手に伝わりにくいという短所もあります。

先ほど例に挙げた催事への出席についても「出席いただけると幸いです」と伝えただけでは、「出席いただいても、また別にそうしていただかなくても構いませんよ」というニュアンスになるため、場合により受け取った側が困る場合もあります。そのうえ、「ぜひ出席してほしい」という場合は伝える側がなおさら困ることになりかねません。

それでは、「いただけると幸いです」を敬語で、かつ的確にこちらの要望を伝わる形にするにはどのようにすればよいのでしょうか?

「なにとぞ~をお願いいたします」と伝えてみる

「いただけると幸いです」という意味合いで、先方にぜひともやってもらいたい要望がある場合は「なにとぞ~をお願いいたします」と伝えると敬意のこもった、なおかつ的確な表現となります。先ほどの催事への出席を先方にぜひともお願いしたい場合も「なにとぞご出席をお願いいたします。」と伝えれば、先方の方もどうにか忙しいスケジュールをうまく調整して出席しようという気になります。

このように、「していただければ幸いです」も伝え方をうまく工夫することによって、より的確に伝わりやすい敬語表現に置き換えることができます。

より目上の人に伝えるには

「していただければ幸いです」をより的確かつ敬意を表して伝える表現として「なにとぞ~をお願いいたします」という表現を紹介しましたが、より目上の人向けの適切な表現もあります。まず、「幸甚です」や「幸甚に存じます」という表現です。これはそのまま見ると「はなはだ幸いです」で、ひいては「こちらとしてもこの上なく幸いです」という意味になります。

特に他社の社長や取締役といった非常に目上の方に対して使われる表現であるため、同じ「いただけると幸いです」の的確な敬語表現でも相手の立場によって使い分けることが大切です。このほかにも「幸いに存じます」という表現もあり、こちらは「幸甚です」「幸甚に存じます」に比べてやや柔らかい表現ですが、目上の方向けの敬語表現としてよく使われます。

ビジネスやビジネスメールで使える例文

さて、ここでは「いただけると幸いです」を実際にビジネスやビジネスメールでどのように使うかについての用例を示していきます。ぜひとも実際のお仕事の場で役立ててみてください。

用例その1:記念パーティーに招待する場合

ビジネスの場ではよくある、催事への招待の際に使われる一例です。

「拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り誠に有難く厚く御礼を申し上げます。さて、来る10月3日に弊社の創立30周年記念パーティーを開催することとなりました。ご多忙のことと存じますが、ぜひともご出席いただけると幸いです。敬具」

なお、先にも書いたように目上の方や大切な取引先の方に対しては「いただけると幸いです」の部分を「いただければ幸いに存じます」や「いただければ幸甚です」と書き換えると、なお丁寧さが増します。

用例その2:贈り物をした場合

こちらはビジネスではなく私的な関係において使う例です。このように何かお礼がてら謝礼を贈った場合に使ってみるとよいでしょう。

「こんにちは、お元気ですか?さて、先日は京都への旅行の旅費を一部援助していただいたこと、感謝いたします。おかげさまで、有意義な旅行を楽しむことができました。そのお礼としまして、ささやかながらお土産をお送りさせていただきました。ぜひともご賞味いただけると幸いです。」

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初回公開日:2017年08月17日

記載されている内容は2017年08月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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