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「謹啓」の位置や結びで使用する言葉を紹介!「謹啓」を使用する例文も

更新日:2024年04月16日

「謹啓」の意味や使い方、一緒に使う「結び」の言葉をご存知でしょうか。本記事では、「謹啓」をどのように使えばよいか、よく使われる「結び」とともに解説しています。例文も紹介していますので、「謹啓」を使用して手紙を書きたいという方はぜひチェックしてみてください。

一般的なビジネスメールでは頭語と結語は使いません。代わりに「お世話になっております」や「お疲れ様です」を使います。

丁寧なメールの場合はどうでしょうか。

ビジネスメールはあくまでも、正式な手紙の略式として考えられています。したがって、改まった文書をメールで送ること自体が失礼に当たる場合もあるので、控えた方がよいでしょう。

丁寧さを強めたい場合は手書きの手紙を送るのが正式です。

謹啓を使用する例文

日本の手紙は基本構成がきちんと決まっており、定型句がたくさんあります。用途や使用場面によって、適切な言葉や定型句を選びましょう。一般的によく使われる「謹啓」の例文を紹介します。

結婚式・披露宴の招待状

謹啓 〇〇の候 益々ご清祥のことと お慶び申し上げます
このたび 私たちは結婚式を挙げることとなりました
つきましては 幾久しくご懇情賜りますよう 
ささやかではございますが 披露の宴を催したく存じます
ご多用中 誠に恐縮でございますが ご臨席賜りますよう
ご案内申し上げます 謹白

結婚式の招待状では句読点は縁起が悪いとされるので、代わりに空白を入れるというマナーがあります。

栄転・昇進の祝い状

謹啓 〇〇の候、〇〇様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、この度は〇〇部長にご栄転とのことで、心よりお祝い申し上げます。これもひとえに〇〇様のたゆまぬ努力の賜物と、敬服いたしておる次第です。
このうえは、一層のご活躍とご発展を心よりお祈り申し上げます。
まずは、略儀ながら書中をもって、ご栄転のお祝いを申し上げます。 謹言

法要の案内状

法事の種類や地域、寺院の意向などによって書き方が変わります。以下の例文は、一般的な四十九日法要の文章です。

謹啓 時下(もしくは時候のあいさつ) 皆様におかれましてはご清祥のことと存じます

亡母〇〇の葬儀に際しましては皆様より温かいご厚志を賜り深謝申し上げます
このたび 次のとおり四十九日法要を相営みますのでご参集賜りたくご案内申し上げます。謹白

以下、日時や会場、住所などの情報を列記します

手紙の書き方・例文

手紙の基本構成は、前文、主文、末文、後付となります。

前文にはまず頭語(謹啓や拝啓など)を書き、一字あけて時候のあいさつ(麗春の候など)と相手を気遣う言葉(お世話になったときはお礼、ご無沙汰しているときはお詫びなど)を述べます。

主文には、起語(さて、ところで、実はなど)から書き始め、用件を簡潔に述べます。

末文では、結びのあいさつ(相手の健康を願う言葉や、用件をまとめる言葉)を書き、結語(謹言や敬具など)で締めます。

後付は、書いた日付、差出人、宛名、脇付(宛名の人にへりくだった気持を表す言葉ですが省略される場合もあります、貴下や侍史など)です。

英語のメッセージ例文

英語の手紙にも頭語と結語にあたる言葉があります。

英語では「Dear Sir」「Dear Madam」「Dear Sirs」「Gentlemen」などが謹啓に近い表現です。特に会社や団体などにあてる場合は「Gentlemen」を使います。

「謹んで申し上げます」という言い方には「I have the honor to inform that…」という表現があります。

結語にあたる言葉として「Sincerely」が使われます。「Sincerely」は「真心を込めて」という意味の締めの言葉です。

時候のあいさつ(季節のあいさつ)

時候のあいさつは、頭語の後に来ます。日本の手紙では、各月の上旬、中旬、下旬に季節の言葉や定型句が決まっています。かしこまった手紙には、月ごとの定型句を用いるとよいでしょう。以下には一般的によく使われる定型句を紹介します。このほかにも定型句はたくさんあるので調べてみると面白いでしょう。

1月によく使われる時候のあいさつは「新春の候、日ごとに寒さが増してまいります」で、新年にからんだ言葉も多いです。2月は「立春の候、立春とは名のみの寒さ」、3月は「早春の候、春まだ浅い今日この頃」、4月は「桜花の候、春たけなわ」などがよく使われます。

5月は「新緑の候、風薫る5月」、6月「入梅の候、うっとうしい梅雨の季節」、7月「盛夏の候、海山の恋しい季節」、8月「残暑の候、立秋とは名ばかりの暑さが続きますが」など、暑さに関係ある言葉も多く使われます。

秋になってくると、9月の「初秋の候、秋色次第に濃く」、10月「紅葉の候、さわやかな秋晴れの続く」、11月「晩秋の候、小春日和の今日この頃」、12月「歳末の候、今年も残すところわずかとなりましたが」などと1年の終わりへ向かっていくあいさつが一般的です。

「謹啓」の使い方を学んで日常生活で使ってみよう

ここまで「謹啓」の意味や使い方をみてきました。「拝啓」との違いや使える場面、手紙のマナーなど、日本の手紙の奥深さや繊細さを感じたのではないでしょうか。

ビジネスではメールとは違い、敬意を表す相手への心遣いや、改まった手紙としての役割があるということがわかりました。

日本の手紙は決まりがたくさんあり、とっつきにくい印象もありますが、知れば知るほど興味深い文化です。特に季節のあいさつは、日常の中で四季を感じられる日本特有の豊かな表現であり伝統です。ぜひ「謹啓」とともに使ってみましょう。

初回公開日:2018年05月09日

記載されている内容は2018年05月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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