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「あまねく」の意味と使い方・例文・漢字・「おしなべて」の違い

初回公開日:2018年10月23日

更新日:2020年05月25日

記載されている内容は2018年10月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

「あまねく」という言葉は、意味がよくわからない単語のひとつです。また類語としてしばしば「おしなべて」という単語があげられますが、両者の違いもわかりにくいところです。ここでは「あまねく」の意味と使い方、漢字表記を交えて説明いたします。

「あまねく」の意味と使い方

「あまねく」の意味と使い方・例文・漢字・「おしなべて」の違い
※画像はイメージです

「あまねく」は「広く、全体にわたって」という意味の言葉で「あまねく◯◯ている」という形で使います。例えば、世界的に知られている人物の名前のことを「彼の名はあまねく世界中に知れ渡っている」と表現します。

別の表現として「全体的に」「一般的に」「普遍的に」といった言葉で置きかえることもできます。

今回はあまねくの意味や使い方、例文、漢字表記の仕方を中心に、あまねくの類語や、その類語との違いなどをご紹介します。

あまねくは普段なかなか使う機会が多いとは言えない単語ですが、しっかり理解して円滑なコミュニケーションを心がけましょう。

「あまねく」の語源は古語

「あまねく」という表現は、「すみずみまで余すところなく行き渡っている」ことを意味する「あまねし」という古語が語源となっています。

鎌倉時代の文人、鴨長明が記した随筆『方丈記』の第二段に、1177年に平安京で起きた「安元の大火」という大火災の記述があります。

その一節に、燃え上がる炎でいたるところ真っ赤になっている情景を「あまねく紅(くれない)なる中に」(余すところなく炎が真っ赤に燃え上がる中に)という表現を見ることができます。

「あまねく」を使った例文

「あまねく」の意味と使い方・例文・漢字・「おしなべて」の違い
※画像はイメージです

日常的にはあまり使うことのない「あまねく」という言葉ですが、意味や使い方はわかっても、実際にどのような使い方をするのかわかりにくいと思われる方もいるでしょう。ここでは実際に「あまねく」を使った例文を上げて解説いたします。

実際に使われそうな表現の例

「あまねく」は基本的に「文語」(文章語)として用いられ、「口語」(話し言葉)的表現ではあまり用いられません。通常は、以下のような文章例で用いられることが多いです。

彼の業績は世界にあまねく知られている

「ベートーヴェン、作曲家としての彼の業績はあまねく世界に知知られている」

楽聖として音楽史にその名を刻む作曲家ベートーヴェン、その彼の業績は世界中、誰もが知っているという意味です。

全国にあまねく周知されなければならない

「今度の法改正は全国にあまねく周知されなければならない」

今回行われる法改正は、非常に重要なので全国に知らない人がいないように知らされなければならない、という意味になります。

鮮やかな黄色が草原にあまねく広がっている

「菜の花のあざやかな黄色が草原にあまねく広がっている」

咲き誇る菜の花のあざやかな黄色い花が草原全体を埋め尽くすように広がっている、という情景を表現しています。

文学作品に見られる表現

前述のとおり、「あまねく」は古典文学作品によく見られる表現です。ここでは、文学作品に見られる例を紹介しましょう。なお、古典文学では「あまねく」を「遍く」と漢字表現しているのが一般的です。

主人は趣味が遍く、客が八方に広いから

「梅水の主人は趣味が遍く、客が八方に広いから、多方面の芸術家、画家、彫刻家、医、文、法、理工の学士、博士、俳優、いずれの道にも、知名の人物が少くない。」


明治後期から昭和初期にかけて活躍した小説家、泉鏡花の作品にみられる例です。「梅水の主人はあらゆる趣味に精通しており、訪れる客もさまざまなジャンルの芸術や学問で名を知られる人物が多い」という意味になります。

以て普く後進の少年を導くことなり

「一国の教育とは、有志有力にして世の中の事を心配する人物が、世間一般の有様を察して教育の大意方向を定め、以て普く後進の少年を導くことなり。」


明治時代の教育者であり思想家、現在では一万円札の肖像画でも知られる福沢諭吉の著作に見られる表現です。「国家の教育とは、志と才能を持ち、世の中の行く末を案じる者が、世情を考えながら教育方針を定めて、すべての年少者を導くものである」という意味です。

強権の勢力は普く国内に行わたっている

「強権の勢力は普く国内に行わたっている。現代社会組織はその隅々まで発達している」

明治時代の歌人、石川啄木が書いた評論「時代閉塞の現状」に見られる表現です。「(国家)権力の勢力は、国内の隅々まで行き渡って、社会組織も隅々まで発展している」という意味となります。

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