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クリスタルイヤホンの音質はどう違うのか?その特徴や用語も解説

更新日:2024年01月05日

クリスタルイヤホンとはどのようなイヤホンかご存知でしょうか。本記事では、発音体やインピーダンスの説明や、クリスタルイヤホンのタイプや向いている用途などを紹介しています。クリスタルイヤホンについて疑問や興味があれば、ぜひチェックしてください。

「クリスタルイヤホンってどんなイヤホン?」
「イヤホンは高いほうがいいのではないの?」
「クリスタルイヤホンはどんな用途に向いているの?」
クリスタルイヤホンを検討している人の中には、このような疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。

本記事では、クリスタルイヤホンの特徴や種類、クリスタルイヤホンが向いている用途など、購入する際のポイントのほか、発音体やインピーダンスについて紹介しています。

この記事を読むことで、クリスタルイヤホンについて知れることはもちろん、知識をもとに自分に合ったオーディオ機器を選ぶ基準が得られるでしょう。また、人にイヤホンをおすすめする際に使える、ちょっと自慢できる雑学も得られます。

クリスタルイヤホンについて詳しく知りたい人は、ぜひこの記事をチェックしてください。

クリスタルイヤホンの特徴

クリスタルイヤホンの特徴として、発音体が特徴的であると言えます。そもそもクリスタルイヤホンとは、ロッシェル塩を発音体に使用していて、逆圧電効果を利用して音を発しているイヤホンです。

初期の鉱石ラジオなどでは、入力インピーダンスが高いため、微弱な電力で音を発せられるクリスタルイヤホンが必須でした。しかし、潮解と呼ばれる、湿気でロッシェル塩の結晶構造が崩壊してしまう現象が起きると使用不可になる弱点があるため、耐久性に難ありとされています。

以前は学習教材用として生産されていましたが、現在では、ロッシェル塩を使用したイヤホンは生産が中止されています。そのため、クリスタルイヤホンと謳われていても、実際はセラミックイヤホンであることがほとんどでしょう。現存するクリスタルイヤホンは数少ないと言えます。

発音体とは何か

発音体とは、音を発しているもののことで、全て振動して音を出します。また、発音体は音源とも言われていて、テレビやラジオのスピーカーや楽器、鳴いている鳥や虫などが発音体として挙げられます。

私たちが音として認識するためには、まず、発音体が振動することが必要です。その発音体の振動が周囲の空気へ伝わり、さらに耳の中の鼓膜へ伝わることによって、音として認識されるのです。なので、空気の無い、真空の状態では発音体の振動が伝わらず、音として認識することはできません。

一方、液体や固体は振動を伝えることができるため、発音体の振動を音として認識できるでしょう。ですが、物体が振動していれば必ずしも音が聞こえるとは言えません。人間の耳が音として認識できる発音体の振動数は20ヘルツ~2万ヘルツ程度であるとされ、音として認識するには激しい振動が必要だと言われています。

現在「クリスタルイヤホン」と呼ばれるものには2つのタイプがある

発音体について理解できましたか。発音体、と言われると難しく感じますが、音源、と言われると途端に聞き覚えがあるのではないでしょうか。それでは、次にクリスタルイヤホンについて詳しく見ていきましょう。

クリスタルイヤホンは現在、以下に挙げた通り、ロッシェル塩タイプとセラミックタイプの2つのタイプに分かれています。この2つのタイプの違いとして、発音体が違うことがまず挙げられますが、そのほかにはどのような特徴や性質の違いがあるのでしょうか。また、価格の違いや、入手方法など、発音体以外にどのような違いがあるのでしょう。

次の項目では、メリットやデメリットを挙げたうえで、ロッシェル塩タイプとセラミックタイプ、それぞれの特徴や性質の違いを比較してみましょう。

  • ロッシェル塩
  • セラミック

ロッシェル塩

そもそも、ロッシェル塩とは酒石酸カリナトリウムの結晶のことで、もともとこの結晶などを電圧素子に利用していたイヤホンが、クリスタルイヤホンと呼ばれています。

前述の通り、クリスタルイヤホンは、潮解を起こす原因となる湿気が大敵です。日本のように高温多湿の地域で使用するには、保存する際の湿気対策が重要となります。逆を言えば、この潮解さえ起きなければ長期で使用可能と言えるでしょう。

また、クリスタルイヤホンはインピーダンスが高いため、セラミックイヤホンより低音特性がよいのが特徴とされています。ですが、潮解が起きると使用不可になってしまうため、現在は生産販売されていません。そのため、現存するクリスタルイヤホンの希少価値は、とても高いと言えるでしょう。

セラミック

セラミックタイプのクリスタルイヤホンは、チタン酸バリウムなどの圧電セラミックをロッシェル塩の代わりに発音体として利用しています。一般的にクリスタルイヤホンとして流通してはいますが、セラミックタイプはクリスタル(結晶)を使用していないため、厳密にはクリスタルイヤホンではなく、セラミックイヤホンと呼ぶべきでしょう。

セラミックタイプとロッシェル塩タイプのクリスタルイヤホンと価格を比較すると、セラミックタイプはロッシェル塩タイプよりはるかに安価で、300円台から手に入るとされています。また、ロッシェル塩タイプのように、湿気による潮解を起こすこともないため、取り扱いも易しいと言えるでしょう。

とは言え、安価で手に入りやすい分、使用する個体によって、音色や音質が異なることも多く、特性の個体差があるとされています。比較してみると明らかな差がみられることもありますので、購入する前にはぜひ個体差を確かめてみてください。

インピーダンスとは何か

ところで、オーディオ機器を語るうえで、インピーダンスとは何かを知っておくとよいとされていますが、前述にも出ているインピーダンスとはどのようなものかご存知でしょうか。

インピーダンスとは、電気回路の交流回路における抵抗成分を指し、対象となる箇所の電流に対して、同じ対象となる箇所に加わる電圧の比を表した指標として、電流の流れにくさを表しています。

そのため、前述にあったインピーダンスが高い、というのは電流が流れにくいことを表しています。

効率を問題としないオーディオ機器などの接続では、機器の出力インピーダンスを極めて低く、入力インピーダンスは高めに設定する、いわゆるロー出しハイ受けにすることによって、電気信号を電力ではなく電圧で伝達させ、接続の利便性を優先することが多いとされています。

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初回公開日:2022年10月03日

記載されている内容は2022年10月03日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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