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台風による飛行機への影響・飛ぶ確率・欠航になる基準|ANA

更新日:2023年12月11日

台風で飛行機が欠航することはよくあることです。飛行機が欠航となる基準はあるのでしょうか。欠航になったときの別便の手配や払い戻し、航空会社や旅行代理店の対応、旅行保険の補償内容、台風さなかでの飛行状況など関連事項を含めて紹介します。

台風による飛行機事故の例

台風は飛行機へさまざまな影響を及ぼしますが、その最たるものは台風による飛行機事故です。日本では1954年9月に、青函連絡船「洞爺丸」を転覆させ1173名もの犠牲者を出した「洞爺丸台風」のさなかで、アジア航測の双発ビーチクラフトC18機が福島県の結能峠付近で遭難し、乗員6名全員が殉職した事故があります。

2014年7月、台湾、澎湖島近くでトランスアジア航空が墜落、民家に衝突・炎上して47人が死亡する事故がおきました。1時間に59ミリの大雨で、視界不良でほとんど見えなかったのではと言われています。

2000年の10月には、これも台湾で、台北の国際空港からの離陸に失敗し炎上大破し、83名が死亡するという大惨事が発生しています。台風が接近中で風速15m以上の強風圏に入っていて、欠航が相次ぐなかでの事故でした。最終的には指示された滑走路とは別の滑走路を使ったパイロットのミスとされています。

台風による飛行機への影響

台風が接近してくると、かなりの確率で飛行機は欠航になり空のダイヤはマヒ状態になります。それに伴って払い戻しや別便への変更などで、空港のカウンター前は長蛇の列で混雑します。そのような台風の影響をみてみましょう。

欠航で国内線は終日マヒ状態

台風が近づくと国内線の要、羽田空港はほぼ終日欠航状態が続きます。台風は南から北上してくるので、まず沖縄や鹿児島などの南の到着地の天候状態から欠航が始まります。次第に台風が北上すると羽田の天候が悪くなって出発できなくなります。羽田の天候が治まると次は仙台や千歳など北の到着地の天候状態で欠航が続きます。

国内線は終日マヒ状態になりますが、国際線の欠航はほとんどありません。羽田とか成田などの出発地がよほどの悪天候でない限り、飛行機会社は極力欠航は避けて多少遅延することはありますが、なんとか飛行機をとばします。一つのフライトの欠航はかなりの損失につながるからです。

払い戻しや別便手配で空港は大混雑

飛行機が台風で欠航すると、その便の払い戻しや別便への変更などの手続きで空港カウンターは大混雑です。ネットでの手続きができるものもありますが、台風のような非常時はやはりフェイストゥフェイスで確認したいものでしょう。

大変なのは宿泊先や他の交通機関への変更です。特に宿泊は、空港ロビーが開放されればそこで仮眠するのも止むをえませんが、ホテルもなかなかとれません。台風で欠航の場合は、航空会社も宿泊代までの面倒はみてくれないので、出費もばかになりません。

次の予定も狂ってくるので再調整しなければいけませんし、会社に戻れなくて欠勤扱いになってしまうこともあります。自然災害のようなものであきらめるしかないのでしょうが、不運なおおぜいの被害者で空港ロビーが溢れかえります。

台風による飛行機欠航の実態

台風のコースによっても影響は異なりますが、2017年9月の台風18号の場合の欠航の状況をみてみましょう。台風18号は9月17日未明に965hPaで鹿児島に上陸、四国、近畿、北陸を通過し日本海で温帯低気圧に変わり、18日未明に北海道を通過、日本列島を縦断した大型台風です。

17日はANAで341便、JALが234便、スカイマークやスターフライヤー、ピーチ、ジェットスターの計6社を合わせると714便が欠航し、5万2000人以上に影響がおよびました。

1日の国内線の全便数は、国土交通省の「国内定期航空月別運航及び運送実績」などを基に計算すると平成28年で、幹線19路線で1日平均620便、ローカル258路線で1日1680便、計2300便です。714便の欠航は全体の31%にしかなりませんが、羽田発着などの幹線路線を中心に大きなダメージを受けています。

台風で飛行機が欠航になる基準

台風による飛行機の欠航の基準に明確なものはありません。航空会社各社には欠航の基準についてもマニュアルに定められているでしょうが、公にはなっていません。飛行機の欠航が決まるのは当日か前日の夕方以降です。欠航が早めに決まることもよくありますが、判断が微妙な場合はフライト直前の機長以下の打合せで決定することも少なくありません。

台風が飛行機に及ぼす影響で危険なのは、離着陸時の横風と視界不良です。飛んでしまえばあまり危険なことはなく、巡航高度で飛行中は台風の近くでも特に問題はありません。

欠航の判断をする時には、出発地と到着地の離着陸時の横風と雨・霧などの情報が重要です。飛行機には機種毎に横風制限が決まっています。例えば、ボーイング777は19.5mの横風まで離着陸ができますが、ボーイング767は14.9mが制限になります。15m以上の台風の強風域では欠航の確率が高くなるでしょう。

台風でも飛行機が飛ぶ確率

台風でも国際線の場合はほとんど欠航することはありません。多少遅延しても、成田とか羽田の出発地の天候が回復すればフライトには問題がないからです。

国内線の場合は、前記したように2017年の台風18号で714便が欠航しても確率的には国内便数全体の31%にしかなりません。しかし、羽田を発着する飛行機はANAで1日183便、JALで124便あるなかで、この台風18号の時は全路線でANAが341便、JALが234便欠航していて、羽田に関してはほとんど100%に近い高い欠航率になったことでしょう。

国土交通省が発表している国内航空会社11社の台風シーズンの7月~9月期の天候による欠航率は、平成28年度は約0.7%という数字で100回に1回起こるかどうかという低い確率になっていますが、これは平均してでの数字で実際の台風当日の欠航率は拠点空港では50%を超える高い数字になるでしょう。

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初回公開日:2018年03月30日

記載されている内容は2018年03月30日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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